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江原 真司*; 高村 宏行*; 橋爪 秀利*; 山野 秀将
International Journal of Hydrogen Energy, 41(17), p.7139 - 7145, 2016/05
被引用回数:7 パーセンタイル:18.31(Chemistry, Physical)本研究では、約1,000,000までの高レイノルズ数領域を扱う日本のナトリウム冷却高速炉のコールドレグ配管の1/7縮尺モデル試験体を含む実験装置を用いて流動可視化及び圧力測定を実施した。流れ場に関して、流動はく離が第3エルボ内側に現れた。しかしながら、そのはく離域は、第1エルボのそれより主流方向と垂直な方向には小さく、周流方向には大きかった。これは、第2エルボ下流で形成される旋回流が多少減衰しつつも第3エルボに流れ込むからであると考えられる。圧力変動試験から、エルボ下流0.0D0.4D(Dは配管直径)の領域において、無次元周波数であるストローハル数が約0.4で圧力変動の卓越周波数が現れることが分かった。また、出口側下流の0.75Dの領域では、ストローハル数が約0.7で弱いピークが見られた。
江原 真司*; 高村 宏行*; 橋爪 秀利*; 山野 秀将
Proceedings of 17th International Conference on Emerging Nuclear Energy Systems (ICENES 2015) (CD-ROM), 6 Pages, 2015/10
本研究では、約1,000,000までの高レイノルズ数領域を扱う日本のナトリウム冷却高速炉のコールドレグ配管の1/7縮尺モデル試験体を含む実験装置を用いて流動可視化及び圧力測定を実施した。流れ場に関して、流動はく離が第3エルボ内側に現れた。しかしながら、そのはく離域は、第1エルボのそれより主流方向と垂直な方向には小さく、周流方向には大きかった。これは、第2エルボ下流で形成される旋回流が多少減衰しつつも第3エルボに流れ込むからであると考えられる。圧力変動試験から、エルボ下流0.0D0.4D(Dは配管直径)の領域において、無次元周波数であるストローハル数が約0.4で圧力変動の卓越周波数が現れることが分かった。また、出口側下流の0.75Dの領域では、ストローハル数が約0.7で弱いピークが見られた。
山野 秀将; 田中 正暁; 岩本 幸治*
Proceedings of ASME-JSME-KSME Joint Fluids Engineering Conference 2015 (AJK 2015-FED) (USB Flash Drive), p.231 - 240, 2015/07
本論文は、レイノルズストレスモデルを用いたU-RANS手法である数値解析シミュレーションツールを対象として、JSFRホットレグ配管を模擬したシングルショートエルボ配管を有する1/10および1/3縮尺の水実験を通じて検証することを目的としている。数値解析結果は1/3および1/10縮尺の実験データとして時間平均速度分布、流動場の可視化、および圧力変動パワースペクトル密度とよく一致した。これらの比較によりU-RANS数値解析ツールの妥当性が確認され、単管ショートエルボ管流への適用性が確認されたと結論づけられる。また、数値シミュレーションにより、ショートエルボ流れにおける周期的な2次流れおよびそれによる馬蹄渦で特徴づけられる非定常流動場が示された。さらに、本研究では、数値的シミュレーションを通して出口条件もまた調べた。時間平均速度分布、圧力変動パワースペクトル密度等に関して配管出口におけるIHXプレナムの有無の影響を比較した結果、有意な差は見られなかったことから出口状態による影響は無視できるといえる。
水谷 淳*; 江原 真司*; 橋爪 秀利*; 山野 秀将
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-10) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2014/12
本研究では、はく離及び圧力変動特性に影響を与える入口流れの影響をJSFRコールドレグ配管の1/7縮尺モックアップを使って評価した。第3エルボの流入条件は既往研究と条件を変えており、2番目と3番目のエルボ間距離を6.4D(D:配管直径)から9.4Dに変化させた。可視化実験では、第3エルボ内側ではく離が見られており、6.4Dの場合よりはく離が大きくなった。これは第3エルボ入口での旋回流が弱まったからと考えられる。圧力変動の周波数解析によれば、はく離領域ではストローハル数(St)が0.4程度で圧力変動パワースペクトル密度(PSD)のピークがみられ、その振幅は6.4Dの場合に比べて半分程度であった。また、エルボ腹側の再付着点において、St=0.6のピークが見られ、その振幅は3倍程度だった。その結果から、旋回流が弱められたことによって、はく離領域が下流側に大きくなり、圧力変動の振幅が大きくなったことが明らかになった。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 吉田 啓之; 玉井 秀定; 久米 悦雄; 北村 竜明*
第16回数値流体力学シンポジウム講演要旨集, 7 Pages, 2002/00
低減速スペクトル炉の炉心燃料集合体内には、1mm程度の燃料棒間ギャップを一定に保つためにスペーサが設置される。このような狭隘流路に存在するスペーサ周辺の熱流動特性に関しては、単相では多くの研究が行われているが、二相流ではほとんど見られない。そこで、狭隘流路内に置かれたスペーサ等の物体が二相流挙動に及ぼす影響を数値的に調べた。数値解析には著者の1人が開発した二相流コードTPFITを使用した。解析体系は3次元流路とスペーサ簡略模擬した矩形突起から成る。解析では、流路入口に液膜厚さとその流速及び蒸気流速を与え、時間方向に進展する液膜流挙動を非加熱等温流条件に対して定量的に調べた。計算に使用した入力値は低減速スペクトル炉の炉心出口近傍の条件を模擬した。解析の結果、突起後端から発生するはく離線に沿ってウエークが形成され、ここでは強い乱れによって液膜が排除され、ほぼ蒸気で満たされることがわかった。この結果から、加熱時には突起後方に十分な冷却を期待できない領域の存在が予測された。また、流れ方向に突起を一定間隔で設置する場合には、前方の突起で発生したウエークが後方の突起に順次影響するため、突起の配置を十分検討する必要がある。今後は、突起形状,加熱時の沸騰流,乱流構造等に及ぼす突起の影響を明らかにする考えである。
鎌田 博文*; 三森 武男; 立岩 正明*; 杉本 賢司*
レーザー研究, 24(2), p.30 - 38, 1996/02
日本原子力研究所・東海研究所の再処理特別研究棟の建屋を解体するためには、放射性物質によって汚染されたコンクリート表層を安全に効率良くはく離する必要がある。しかし、従来の機械的研磨や研削工法等による除去作業では、汚染されたコンクリートの粉塵が飛散する、等いくつかの課題がある。そこで、本研究では、COレーザーを用いて、コンクリート表面にレーザー照射することにより、1)表層を高熱で溶融させて層状にガラス化し、二次的に汚染物質を含有したガラス層を除去すること、あるいは、2)コンクリートの含有水分を瞬時に高温膨張させ爆裂破砕させること、により再処理特別研究棟の汚染されたコンクリート表層を安全、かつ合理的にはく離できる研究を行った。
田村 学*; 近藤 達男
JAERI-M 9948, 27 Pages, 1982/02
実機の組立または補修時に素材がグラインダまたはショット仕上などの表面冷間加工を受けることに注目して、ハステロイ-X合金の9001000Cの不純ヘリウム中における腐食挙動に及ぼす表面冷間加工の影響を研究した。一般に冷間加工した材料の酸化はしばしば抑制される傾向を示すが、本研究の条件ではショット加工によって強い表面加工を与えると酸化および浸炭を著しく加速することを見出した。より加工の程度の少ないグラインダによる精密表面仕上の場合には加速現象は顕著ではなく、エメリ紙で研磨したものと同程度の酸化を示した。しかし、概して表面冷間仕上は9001000CのHTGR近似の不純ヘリウム中においては程度の差こそあれ 酸化,浸炭を促進する。1000Cにおいては加熱後の冷却中に表面冷間上仕した試料の被膜は剥離しやすくなる。表面冷間加工によって酸化挙動が影響を受ける要因としてクロムの表面への拡散が容易になるためであることはよく知られているが、本実験の場合、表面冷間加工によって導入される加工度のミクロ的な不均一性がかえって酸化,浸炭を促進したものと判断した。
新藤 雅美; 近藤 達男
JAERI-M 8835, 14 Pages, 1980/04
1000Cの高温ガス炉(VHTR)冷却材を近似したヘリウム中でSi含有量の異なる数種のハステロイ-XR合金(ハステロイ-Xを改良した合金)について恒温下、熱サイクル下の酸化挙動を調べた。本研究は耐酸化性と被膜の密着性の観点から最適Si含有量を決定することを目的としている。Siの添加は1%までSi含有量の増加にともなって酸化速度が遅くなる。一方被膜の密着性は0.2~0.4%のSi添加がもっともよかった。これらの二つの傾向は被膜と合金の界面に形成されるSiOの形態によって説明することができる。
新藤 雅美; 鈴木 富男; 近藤 達男
JAERI-M 8210, 12 Pages, 1979/04
高温ガス炉冷却材近似のヘリウム中で耐熱合金の熱サイクル腐食試験を行った。熱サイクル条件は室温と1000Cを高温部保持時間300hrで行い、試験時間は最長5000hrとした。供試材のハステロイ-X基合金は腐食挙動に重要な役割を果す微量成分の含有量の異る三種を用い、主として腐食性の改善と腐食生成物のはく離で放出される放射化ポテンシャルの大きい元素の量との関係を追跡したが、あわせて酸化膜構成元素の時間的変化と腐食挙動との関連も考察した。防護膜の保護性を改善することと、局部侵食を抑制する二つの防食手段がCo,Niなどの元素の放出を低減に実質的に有効であるという先報までの結論を長時間試験においても再確認した。また、酸化抵抗の良否を形成される酸化膜の構成元素との間に密接な関係が認められ、なかでもMnとSiが大きい役割を果すことを明らかにした。